
【人と人を結ぶ】
少し前のことですが、栃木県大田原市にある「一般社団法人えんがお」に視察に行ってきました。そこでとても考えさせられる話を聞いたので、ここに書いておきます。それは、孤立が社会課題を深刻化させてしまうという話です。
例えば障害、不登校、貧困といった社会課題。それぞれ単体であれば、支え合うことはできます。でも、そこに孤立が加わると、一気に解決が難しくなってしまいます。不登校の子が誰かとつながっている場合、孤独や不安を一人で抱え込まずに済むことがあります。一方で、孤立した状態が続くと、孤独と不安が増幅しやすくなります。貧困にしても、かつては地域のつながりの中で野菜をもらったり、お手伝いをしたりして支え合う仕組みがありました。しかし今は「お金がない×孤立」の状態になることで、生活が一気に苦しくなってしまいます。えんがおさんでは、そうした課題に対して、制度による支援が十分に行き届かない部分でも、人と人がつながることで支え合える仕組みをつくることに力を入れておられました。
こうした課題は江津市でも同じだと思います。財政的に十分な余裕のある市ではないので、社会課題に対しては私たち自身が動いていくことが求められます。様々な社会課題が孤立と結びついて深刻化することを防ぐために、人と人がつながる仕組みを作っていくことが重要です。このたび理事会で承認してもらった新しい理念『人と人を結び、地域とともに歩む』には、そのような思いも込めています。人と人を結ぶことで、社会課題をゼロにすることはできないかもしれません。でも、支え合うことで楽しくご機嫌に生活する基盤をつくることは十分に可能だと考えています。これからの花の村は新しい理念のもとで、新たな地域づくりに取り組んでいきます。
【環境整備のこと】
先月は、環境整備委員会のみなさんを中心に、合歓の郷周辺の整備作業が行われました。他の事業所でも年間を通じて整備作業に取り組んでいただき、みなさんのおかげで施設の敷地をきれいに維持することができています。ありがとうございます。一方で、敷地内はなんとか管理できているものの、地域では草刈りなどの作業をする人が少なくなり、業務で移動する際に見通しが悪くなっている場所も見られるようになりました。人口減少や高齢化が進む中で、地域全体の環境整備は今後ますます難しくなっていくと感じています。こうした地域の大きな課題に対して、私たちにどんな関わり方ができるのか、引き続き考えていきたいと思います。
【施設内研修が続きます】
いろいろな内容の施設内研修が行われています。施設外研修の機会も数多くありますが、職員が同じタイミングで学ぶことで共通認識を持ちやすい施設内研修は、やはりメリットが大きいと感じています。AIの活用研修、認知症研修に続き、23日には性に関する研修が行われます。法人としてまだ足りていないことが多く、力を入れるべき分野ですので、私自身もしっかり学びます。
研修の一番の目的は、知識を得ることではなく、得た知識をもとに「行動」することです。受けて終わりではなく、そこで得たことを次の行動(どんな小さなことでも構いません)につなげることを意識してください。そして行動につなげやすくするためにも、研修報告の最後の項目「研修で得られたことを業務にどう活かすか」に具体的に記入するようにしてください。
【さいごに】
あっという間に12月になり、あと半月で1年が終わります。早いですね。何かと慌ただしくなる時期です。怪我のないよう、体調も崩さないよう、気をつけて過ごしてください。

