
【生成AIの研修会があります】
「生成AI(せいせいエーアイ)」という言葉を、テレビや新聞、会話の中など、いろんなところで見たり聞いたりするようになっています。「ChatGPT(チャットジーピーティー)」や「Gemini(ジェミニ)」といった代表的なものを、すでに使っている人もいるかもしれません。花の村でも、こうした新しい道具をうまく活かして、仕事がもっとやりやすくならないかと考えています。
たとえば、ミーティングの内容を録音し、それを自動で文字にして要点をまとめてくれる機器があります。すでに使い始めている事業所もあり、業務の一部で活躍しています。こうした道具を使えば、いままで時間がかかっていた仕事が、短い時間で済むようになります。でも、それが目的ではありません。大切なのは、そこでできた時間を、子どもや利用者さんともっと丁寧に関わる時間に使うこと。じっくり考える時間をつくることです。
私たちの仕事はとても幅広く、毎日の業務も多くあります。どれも大切なことですが、限られた時間の中で全部を完璧にこなすのはなかなか難しいのが現実です。だからこそ「人の手を借りなくてもできること」は生成AIに任せて、「人にしかできないこと」に力を注ぐ。「思考すること」に時間を使う。そのバランスがとても大事になってきます。
そうした考えから、生成AIの使い方を学ぶ職員研修会が来月行われることになっています。「どんなことができるのか」「どんなふうに使えばいいのか」を、外部の講師がやさしく教えてくれる貴重な機会です。難しく考える必要はありません。「まずは知ってみよう」「できそうだったらやってみよう」。そんな気持ちで気軽に参加してみてください。
【コミュニケーションを学ぶ取り組み】
これも来月のことですが、江津高校の1年生があさりこども園に来て、調理担当のKさんとの対話を通じて「コミュニケーション」について学ぶ取り組みが行われます。花の村の仕事は一人で完結するものではありません。複数の職員がチームとなって仕事を進めており、その中でのやり取りには円滑なコミュニケーションが欠かせません。もちろん、利用者さんや子どもたちと向きあう場面でも、コミュニケーションは大切な要素になります。
今回の取り組みでは、Kさんが「日々どのようなことに気をつけながら人と関わっているか」を生徒に伝えてくれることになっています。そんなことから、私自身もあらためてコミュニケーションについて考えてみました。
コミュニケーションと聞くと「自分が思っていることを伝える」ことと考えがちですが、それだけでは不十分です。コミュニケーションは、「自分が感じていること・考えていることを、できるだけ忠実に相手に感じさせる、思わせること」ができて、初めて成立するものです。つまり、「伝えた」ではなく「伝わった」が重要なのです。そのためには相手がどんな受け止め方をするのかを理解する必要があります。
例えば「私は怒っている」と伝えたとしても、受け取る側の性格や感受性によって印象は変わります。繊細な感覚を持つ人は「理事長はめちゃくちゃ怒っている」と感じるかもしれません。おおらかな人は「理事長は機嫌が悪いのかな」くらいにしか思ってもらえないかもしれません。同じ言葉を伝えたとしても、受けての感じ方によって伝わり方は変わってしまいます。
そう考えると、コミュニケーション能力を高めるためには、「どんな言葉を使うか」よりも、「相手はどんな人なのか」を理解することが大切だと分かります。つまり「話す力」よりも「相手を見る力」「相手の思いを聴く力」。これが花の村のスローガン『笑顔と聴くこと』の「聴く」の意味でもあります。
もちろんコミュニケーションは「聴くこと」だけでは成立しませんが、「相手をよく見る、よく聴く」姿勢は、その入口としてとても大切なことです。高校生があさりこども園での活動の中で、そんなことを感じてくれたら嬉しいです。
暦の上ではすでに秋ですが、もうしばらく暑い日は続きそうです。でも朝晩の気温は少しずつ下がってきていて、日中との気温差が大きくなってきました。こうした時期は体調を崩しやすくなるので、気温の変化を意識して、服装や体調管理に気をつけてください。