
【社会的自立を支援する】
昨年3月にスタートしたフリースクール「こうとうキャンパス」を利用していた生徒が、4月から次のステージへ進むことになり、次のような内容の手紙をもらいました。本人に許可をもらったので、少し手を入れたものをここで紹介します。
フリースクールを作ってくれてありがとうございました。私はフリースクールがあったおかげで進学しようと思えました。学校に行けないということが自分の中ですごく苦痛で、行けない自分を責めてしまって。でもフリースクールに行くようになって、外に出て何かをしているということが、何もしていない自分からフリースクールに行けている自分になれたことが、すごくうれしいです。おかげで体育祭にも卒業式にも楽しんで出ることができました。いつもは恥ずかしくて言えませんが、感謝しています。ありがとうございます。これからも学校に行けず苦しんでいる子どもたちを支えてあげてください。
「学校復帰のみを目指すのではなく、社会的自立に向けた支援が重要である」文科省がこの考えを明確に示したのが2019年。でもそこから社会的自立を支える取り組みや場づくりが、どれだけ進められてきたのかは定かではありません。私たちにできることには限りがありますが、それでもできることはやっていきます。それが、地域を活性化することを目指す花の村の役割だと考えています。
【フィードバック】
印象に残った話を2つ紹介します。1つはロケットの話、もう1つはオリンピック選手の話です。
ロケットは、常に微調整を繰り返しながら飛んでいるそうです。空気抵抗や気流の影響で少しずつズレていく軌道を、感知する仕組みとそれに応じて力を加える仕組みで、継続的に修正しているのだと聞きました。そうした仕組みがあるからこそ、私たちの目には「まっすぐ飛んでいる」ように見えているわけです。
仕事もこれと同じです。目的を定めておけば黙っていても真っ直ぐ進んでいける、軌道修正が必要の無い人はいません。誰もが思考や行動のクセ、認識の偏りなどによって、少しずつズレていく可能性を持っています。だからこそ、自分が正しい方向に進んでいるかどうかを確かめ、必要に応じて立て直していくことが大切です。
この「正しく進んでいるかを確かめること」と「方向を修正すること」を合わせて行うのが、フィードバックです。このフィードバックは一人で行うのは難しく、組織で取り組んだ方がいいのですが、それを定期的に行う仕組みが花の村でもまだ十分に整っているとは言えません。ですが、仕事の目的に対してズレが生じているときは、たとえ耳が痛いことであっても、それを伝え合い、振り返り、どう行動するかを共に考えていくことが必要です。そのような文化と仕組みを、少しずつでも整えていきたいと思います。ぜひみなさんも「自分が正しく進んでいるか」を点検してみてください。
【どうなっていたいか】
もうひとつ、心に残ったのは、あるオリンピック選手の話です。
その選手は金メダル獲得を目標に掲げており、カレンダーに大会の予定を書き込む際、決勝戦の日に「オリンピック決勝」とは書かず、「オリンピック優勝」と書いたそうです。「その日に何があるか」ではなく、「その日にどうなっていたいか」を意識することで、日々の行動が変わる。そして行動が変われば、結果も変わる。そんな話でした。
各事業所では、今年度の事業計画がすでに立てられています。その計画には、「来年の3月31日には、こうなっていたい」という姿が書かれています。ただ予定があるだけでなく、「どんな姿になっていたいか」を意識して、行動することが大切です。改めて事業計画を読み返し、自分たちが目指すものの実現に向けて、今、どう行動していくのかを考えてみてください。